第58回理学療法士国家試験　午後問題4

Down症候群が示す特徴的な姿勢はどれか。

解答解説

正解は2です。

Down症候群の特徴的な姿勢として、筋緊張低下が挙げられます。この筋緊張低下により、仰臥位で上下肢が外転・外旋しやすく、腹部が緩み、全体的にだらっとした姿勢をとることが多くなります。図2は、この特徴を反映しており、Down症候群の典型的な姿勢を示しています。

各選択肢の解説

1. 図1
   この選択肢は誤りです。図1は正常な乳児の対称性緊張性頸反射（ATNR）が働いている姿勢であり、Down症候群に特有の姿勢ではありません。
2. 図2
   この選択肢が正解です。Down症候群の特徴である筋緊張低下がよく表れており、仰臥位で四肢が外転・外旋した姿勢が確認されます。このだらっとした姿勢が典型です。
3. 図3
   この選択肢は誤りです。図3は反射的な動作や腹臥位での遊びに関連する姿勢であり、筋緊張低下による特徴的な姿勢ではありません。
4. 図4
   この選択肢は誤りです。図4は腹臥位で体幹を持ち上げた姿勢を示しており、筋力や支持能力が必要です。筋緊張低下があるDown症候群ではこのような姿勢を取りにくいです。
5. 図5
   この選択肢は誤りです。図5は横向きの遊びの姿勢で、対称性や筋力がある乳児が示すことが多い姿勢です。

ワンポイントアドバイス

Down症候群では、筋緊張低下や関節の過可動性がよく見られます。仰臥位で四肢が外転・外旋し、全身が緩む姿勢は特に注意すべき特徴です。姿勢評価や動作観察からDown症候群を早期に識別するために役立つポイントを覚えておきましょう。