第53回

第53回理学療法士国家試験 午後問題97

驚きなどの情動によって脱力発作が誘発されるのはどれか。

  1. 睡眠時驚愕症
  2. ナルコレプシー
  3. むずむず脚症候群
  4. レム睡眠行動障害
  5. 睡眠時無呼吸症候群

解答解説

正解は2. ナルコレプシーです。

解説

  1. 睡眠時驚愕症
    主に小児にみられる睡眠障害で、夜間に突然の恐怖や叫び声を伴う覚醒が特徴です。情動による脱力発作は伴いません。この選択肢は誤りです。
  2. ナルコレプシー
    ナルコレプシーは日中の過度な眠気や情動(驚きや笑いなど)によって誘発される脱力発作(カタプレキシー)が特徴です。これが正解です。
  3. むずむず脚症候群
    寝入り時や安静時に下肢に不快感が生じ、動かしたいという衝動に駆られる症状ですが、情動による脱力発作とは関連しません。この選択肢は誤りです。
  4. レム睡眠行動障害
    睡眠中に夢に関連した動作や行動がみられる疾患であり、情動による脱力発作は関係ありません。この選択肢は誤りです。
  5. 睡眠時無呼吸症候群
    睡眠中に呼吸が停止する症状が繰り返される疾患で、情動による脱力発作とは無関係です。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

ナルコレプシーの診断には、日中の眠気やカタプレキシーに加え、睡眠ポリグラフ検査(MSLT)での短い入眠潜時が重要です。また、カタプレキシーの症状は強い情動に関連するため、患者への聞き取りがポイントになります。