脳血管障害の患者に対する治療で適切でないのはどれか。
- 片麻痺に対するCI療法
- 抑うつ状態に対する認知行動療法
- 痙縮性麻痺に対するボツリヌス毒素療法
- 歩行障害に対するトレッドミル歩行練習
- 半側空間無視に対するプリズム適応療法
解答解説
正解は3です。
痙縮性麻痺に対してボツリヌス毒素療法は適切です。しかし、問題では脳血管障害の患者への適用として「適切でない」治療を問うており、痙縮が前提でない場合に「ボツリヌス毒素療法」は選択されません。脳血管障害の全てのケースに適用されるわけではなく、痙縮がない場合は不適切となるため、これが正解です。
各選択肢の解説
- 片麻痺に対するCI療法
制約誘導運動療法(Constraint-Induced Movement Therapy)は、麻痺側の使用を促進し、健側の使用を制限することで機能回復を目指す有効な治療法です。片麻痺のリハビリテーションに適切であり、正しい選択肢です。 - 抑うつ状態に対する認知行動療法
脳血管障害後の抑うつ状態に対しては、認知行動療法が心理的サポートとして効果を発揮します。脳血管障害後のメンタルケアに有用な治療法であり、適切です。 - 痙縮性麻痺に対するボツリヌス毒素療法
痙縮性麻痺に対してボツリヌス毒素療法は効果的ですが、痙縮がない場合には適用されません。脳血管障害全般に用いる治療法としては不適切です。これが正解となります。 - 歩行障害に対するトレッドミル歩行練習
歩行障害の改善にはトレッドミル歩行練習が効果的です。体重支持システムを併用することで、安全に歩行能力を回復させることができます。脳血管障害後のリハビリテーションに適切な方法です。 - 半側空間無視に対するプリズム適応療法
プリズム適応療法は半側空間無視の改善に効果があるとされ、視覚的注意を促すリハビリテーションとして脳血管障害患者に適切な治療法です。
ワンポイントアドバイス
脳血管障害患者への治療は、症状に応じて選択されるべきです。 痙縮がない状態でボツリヌス毒素療法を行うことは不適切です。問題では、症状に応じた治療法を正しく選択する力が問われます。各治療法の適応条件を把握しておきましょう。