第53回理学療法士国家試験　午後問題68

心電図の波形で正しいのはどれか。

1. P 波は His 束の興奮を意味する。
2. PR 間隔は房室伝導時間である。
3. QRS 波は Purkinje 線維の興奮を意味する。
4. ST 間隔は心室内興奮到達時間である。
5. T 波は心室の脱分極を意味する。

解答解説

正解は2. PR 間隔は房室伝導時間である。です。

解説

心電図の波形とその生理的な意味を以下のように整理します。

1. P 波は His 束の興奮を意味する。
   P 波は心房の脱分極を反映するものであり、His 束の興奮を意味するものではありません。この選択肢は誤りです。
2. PR 間隔は房室伝導時間である。
   PR 間隔は心房から心室への伝導にかかる時間を反映します。具体的には、心房の興奮（P 波）から心室の興奮（QRS 波）までの時間であり、房室伝導時間として正しいです。
3. QRS 波は Purkinje 線維の興奮を意味する。
   QRS 波は心室全体の脱分極を反映しています。Purkinje 線維のみの興奮ではなく、心室筋全体の活動を表しているため、この選択肢は誤りです。
4. ST 間隔は心室内興奮到達時間である。
   ST 間隔は心室の脱分極が終了し、再分極が始まるまでの過程を示します。心室内の興奮到達時間ではありませんので、誤りです。
5. T 波は心室の脱分極を意味する。
   T 波は心室の再分極を反映する波形であり、脱分極ではありません。この選択肢も誤りです。

ワンポイントアドバイス

心電図の波形は、各波がどの部分の心臓の活動を示しているかを正確に覚えることが重要です。P 波（心房の脱分極）、QRS 波（心室の脱分極）、T 波（心室の再分極）のように、それぞれの生理的意味を整理しておくと理解が深まります。