内頸動脈系と比べて椎骨脳底動脈系の血流障害でみられやすいのはどれか。2つ選べ。
- 複視
- 運動失調
- Broca失語
- 一過性黒内障
- 半側空間無視
解答解説
正解は1. 複視と2. 運動失調です。
解説
椎骨脳底動脈系の血流障害は、脳幹や小脳に供給される領域に影響を及ぼします。このため、脳幹機能や小脳機能に関連した症状が多くみられます。以下に詳細を説明します。
- 複視
椎骨脳底動脈系の血流障害は脳幹にある動眼神経(Ⅲ)、滑車神経(Ⅳ)、外転神経(Ⅵ)などに影響を与えることがあります。これらの神経障害により、眼球運動異常が生じ、複視が現れやすくなります。正解です。 - 運動失調
小脳は椎骨脳底動脈系の供給を受けています。小脳機能が障害されると、四肢や体幹の運動失調がみられます。これは椎骨脳底動脈系障害の特徴的な症状です。正解です。 - Broca失語
Broca失語は前頭葉のBroca領域が障害されることで生じます。この領域は内頸動脈系(中大脳動脈)の支配領域に含まれるため、椎骨脳底動脈系の血流障害ではみられません。不正解です。 - 一過性黒内障
一過性黒内障は内頸動脈系に含まれる眼動脈の血流障害で生じる症状です。椎骨脳底動脈系障害ではみられません。不正解です。 - 半側空間無視
半側空間無視は頭頂葉(特に右半球)が障害されることで生じます。頭頂葉は内頸動脈系(中大脳動脈)の支配領域であるため、椎骨脳底動脈系障害ではみられません。不正解です。
ワンポイントアドバイス
椎骨脳底動脈系は脳幹・小脳・後頭葉を支配しています。このため、脳幹神経障害(複視、嚥下障害など)や小脳症状(運動失調、平衡障害など)が特徴的です。内頸動脈系との違いを整理しながら覚えると効果的です。