第53回

第53回理学療法士国家試験 午後問題64

胃での栄養素の消化・吸収で正しいのはどれか。

  1. ペプシンは脂質を分解する。
  2. セクレチンは胃液分泌を促進する。
  3. 内因子はビタミン B₆ の吸収に関与する。
  4. 胃内の停滞時間は糖質より脂肪の方が長い。
  5. 胃液分泌の増加は食物が胃に到達してから起こる。

解答解説

正解は4. 胃内の停滞時間は糖質より脂肪の方が長い。です。

解説

  1. ペプシンは脂質を分解する。
    ペプシンは胃で分泌される酵素で、タンパク質をペプチドに分解します。脂質分解には関与しません。この選択肢は誤りです。
  2. セクレチンは胃液分泌を促進する。
    セクレチンは小腸で分泌されるホルモンで、膵液の分泌を促進し、胃酸分泌を抑制します。この選択肢は誤りです。
  3. 内因子はビタミン B₆ の吸収に関与する。
    内因子は胃で分泌される物質で、ビタミン B₁₂ の吸収に関与します。ビタミン B₆ ではありません。この選択肢は誤りです。
  4. 胃内の停滞時間は糖質より脂肪の方が長い。
    胃内の食物の停滞時間は、栄養素の種類によって異なります。脂肪は糖質やタンパク質よりも消化に時間がかかり、胃に長くとどまります。この選択肢は正しいです。
  5. 胃液分泌の増加は食物が胃に到達してから起こる。
    胃液の分泌は主に食物が胃に到達する前、視覚や嗅覚、味覚による反射的な刺激(頭相期)で始まります。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

消化器系では、各臓器がどの栄養素をどのように分解・吸収するかをしっかり理解することが重要です。特にペプシンの役割や内因子とビタミン B₁₂ の関係、セクレチンの働きは試験で頻出なので、正確に押さえましょう。また、栄養素ごとの胃通過時間も覚えておくと応用問題に対応できます。