第58回

第58回理学療法士国家試験 午前問題44

44 呼吸性アシドーシスはどれか。

解答解説

正解は3です。

呼吸性アシドーシスは、PCO₂の上昇(正常値:35~45 mmHg)による血液pHの低下(アシドーシス)を特徴とします。選択肢3では、PCO₂が55 mmHgと上昇しており、代償性にHCO₃⁻(正常値:22~26 mEq/L)が上昇していますが、pHが7.25とアシドーシスの範囲にあるため、呼吸性アシドーシスに該当します。

各選択肢の解説

  1. pH: 7.30, PCO₂: 25, HCO₃⁻: 15
    この選択肢は誤りです。PCO₂が低下しており、代謝性アシドーシス(HCO₃⁻の低下)による過換気の状態が示唆されます。
  2. pH: 7.40, PCO₂: 25, HCO₃⁻: 15
    この選択肢は誤りです。pHが正常範囲であり、代謝性アシドーシスの完全代償が示唆されます。呼吸性アシドーシスではありません。
  3. pH: 7.25, PCO₂: 55, HCO₃⁻: 30
    この選択肢が正解です。PCO₂の上昇(55 mmHg)が原因のアシドーシス(pH: 7.25)であり、代償性にHCO₃⁻が上昇しています。呼吸性アシドーシスに該当します。正解です。
  4. pH: 7.35, PCO₂: 40, HCO₃⁻: 30
    この選択肢は誤りです。HCO₃⁻の上昇が見られますが、pHは正常であり、呼吸性アシドーシスではありません。代謝性アルカローシスの代償が示唆されます。
  5. pH: 7.45, PCO₂: 45, HCO₃⁻: 35
    この選択肢は誤りです。pHがアルカローシス側で正常範囲にあり、HCO₃⁻が上昇していますが、呼吸性アシドーシスではありません。

ワンポイントアドバイス

呼吸性アシドーシスでは、PCO₂の上昇が主因となり、代償性にHCO₃⁻が上昇します。pH、PCO₂、HCO₃⁻の変化パターンを正確に覚えることで、酸塩基平衡の問題を正確に判断できるようになります。