第58回

第58回理学療法士国家試験 午前問題30

足関節内反捻挫後に筋力増強運動を行う下肢の筋で、再発予防に最も有効なのはどれか。

  1. 下腿三頭筋
  2. 後脛骨筋
  3. 前脛骨筋
  4. 長指屈筋
  5. 長腓骨筋

解答解説

正解は5.長腓骨筋です。

足関節内反捻挫は足が内反することで起こり、外側靭帯が損傷します。これに対し、長腓骨筋は外反(回外)を補助する筋であり、再発予防に最も重要です。内反を制御する筋力を強化することで、同じ捻挫の再発を防ぐことができます。

各選択肢の解説

  1. 下腿三頭筋
    この選択肢は誤りです。下腿三頭筋は足関節底屈に関与しますが、外側の安定性に直接関与しません。
  2. 後脛骨筋
    この選択肢は誤りです。後脛骨筋は足部内反に作用し、足関節内反捻挫では損傷を助長する側の筋です。
  3. 前脛骨筋
    この選択肢は誤りです。前脛骨筋は足関節背屈を担い、再発予防には直接効果がありません。
  4. 長指屈筋
    この選択肢は誤りです。長指屈筋は足趾の屈曲に関与しますが、足関節外側の安定性には寄与しません。
  5. 長腓骨筋
    この選択肢が正解です。長腓骨筋は足関節外反を担う重要な筋で、再発予防に最も効果的です。

ワンポイントアドバイス

内反捻挫の再発予防には、外反運動を補助する腓骨筋群(長腓骨筋と短腓骨筋)の強化が効果的です。バランス練習や固有感覚トレーニングも合わせて行うと予防効果が高まります。