第55回

第55回理学療法士国家試験 午前問題73

肺機能検査とその説明の組合せで正しいのはどれか。

  1. 秒量 安静呼気の呼出開始から秒間に呼出した肺気量
  2. 残気量 安静呼気位に肺内に残存した肺気量
  3. 肺活量 最大吸気位からゆっくりと最大呼気位まで呼出した肺気量
  4. 拘束性換気障害 %肺活量90%未満
  5. 閉塞性換気障害 秒率80%未満

解答解説

正解は 3. 肺活量 最大吸気位からゆっくりと最大呼気位まで呼出した肺気量 です。

肺活量は、最大吸気後に肺から完全に呼出しうる肺気量を指します。これは肺の全体的な容量を示す指標であり、正常な肺機能の評価に重要です。他の選択肢は説明が不正確です。

各選択肢の解説

  1. 秒量 安静呼気の呼出開始から秒間に呼出した肺気量
    誤りです。秒量とは、努力性肺活量(FVC)の最初の1秒間に呼出される空気量(FEV1)のことを指します。 安静呼気からの値ではありません。
  2. 残気量 安静呼気位に肺内に残存した肺気量
    誤りです。残気量(RV)は、最大呼気位(肺活量をすべて呼出した後)に肺内に残る空気量を指します。 安静呼気位での値ではありません。
  3. 肺活量 最大吸気位からゆっくりと最大呼気位まで呼出した肺気量
    正解です。肺活量(VC)は、この説明通りの測定で得られる値です。 肺の最大容量の一部を示します。
  4. 拘束性換気障害 %肺活量90%未満
    誤りです。拘束性換気障害は%肺活量(%VC)が80%未満の場合に診断されます。 90%は正常範囲内です。
  5. 閉塞性換気障害 秒率80%未満
    誤りです。閉塞性換気障害の診断基準となる秒率(FEV1/FVC)は70%未満です。 80%は正常範囲内です。

ワンポイントアドバイス

肺機能検査でよく使用される指標を正確に覚えることが重要です。特に、「肺活量」「秒量(FEV1)」「秒率(FEV1/FVC)」「残気量(RV)」などは試験で頻出です。また、拘束性と閉塞性の換気障害の診断基準をしっかり理解しておきましょう。