呼吸生理の説明で正しいのはどれか。
- 呼吸中枢は視床下部にある。
- 外肋間筋は安静呼吸の呼気筋として作用する。
- 内呼吸とは肺胞と毛細血管との間のガス交換をいう。
- 動脈血二酸化炭素分圧が上昇するとヘモグロビンから酸素が解離しやすくなる。
- 頸動脈小体は動脈血酸素分圧よりも動脈血二酸化炭素分圧の変化を感知しやすい。
解答解説
正解は 4. 動脈血二酸化炭素分圧が上昇するとヘモグロビンから酸素が解離しやすくなる。
Bohr効果により、血中の二酸化炭素分圧(PaCO2)が上昇すると、ヘモグロビンは酸素に対する親和性を低下させ、酸素が組織に解離しやすくなります。この現象は、組織に酸素を効率よく供給するために重要です。
各選択肢の解説
- 呼吸中枢は視床下部にある。
誤りです。呼吸中枢は延髄と橋にあります。 延髄には呼吸の基本的なリズムを制御するニューロン群が存在します。 - 外肋間筋は安静呼吸の呼気筋として作用する。
誤りです。外肋間筋は吸気筋として作用します。 安静呼吸時の呼気は主に肺の弾性収縮によるもので、筋の働きは必要ありません。 - 内呼吸とは肺胞と毛細血管との間のガス交換をいう。
誤りです。内呼吸とは細胞レベルでのガス交換(組織と毛細血管の間)を指します。 肺胞と毛細血管の間のガス交換は外呼吸です。 - 動脈血二酸化炭素分圧が上昇するとヘモグロビンから酸素が解離しやすくなる。
正解です。Bohr効果により、二酸化炭素分圧の上昇やpHの低下がヘモグロビンの酸素解離を促進します。 組織での酸素供給に重要な現象です。 - 頸動脈小体は動脈血酸素分圧よりも動脈血二酸化炭素分圧の変化を感知しやすい。
誤りです。頸動脈小体は主に動脈血酸素分圧(PaO2)の低下を感知します。 一方、延髄の化学受容体が二酸化炭素分圧やpHの変化を感知します。
ワンポイントアドバイス
呼吸生理では、酸素と二酸化炭素の輸送やヘモグロビンの役割が試験に頻出です。Bohr効果の仕組みや、呼吸中枢の位置(延髄・橋)、外呼吸と内呼吸の違いをしっかり理解しておきましょう。また、化学受容体の役割も確認しておくとよいです。