慢性腰痛に対する認知行動療法で誤っているのはどれか。
- 痛みの有無を頻回に確認する。
- 腰痛の不安を解消する映像を見せる。
- 腰を反らしても痛まない体験を繰り返させる。
- 痛みがあっても行える活動があることを認識させる。
- 適切な身体活動は痛みを増悪させないことを説明する。
解答解説
正解は 1. 痛みの有無を頻回に確認する。
認知行動療法(CBT)は、慢性腰痛患者に対して心理的側面を改善することを目的としています。痛みの有無を頻繁に確認すると、患者の痛みに対する注意が過剰に向けられ、不安や恐怖回避行動が助長される可能性があります。これにより、痛みに関連する悪循環が強化されるため、不適切な対応です。
各選択肢の解説
- 痛みの有無を頻回に確認する。
正解です。頻繁に痛みを確認することは、痛みに対する過敏性を増加させ、患者の心理的負担を高める可能性があります。 痛みを気にしすぎることで、注意が痛みに集中し、慢性的な痛みがさらに悪化することがあります。 - 腰痛の不安を解消する映像を見せる。
正しいです。不安を和らげるために、腰痛のメカニズムや適切な対処法を示す映像や教育資料を活用することは、認知行動療法の有効な手法です。 - 腰を反らしても痛まない体験を繰り返させる。
正しいです。痛みを伴わない動作を体験させることで、患者に安全な動作であることを学習させ、不必要な恐怖回避行動を減少させることが可能です。 - 痛みがあっても行える活動があることを認識させる。
正しいです。患者に「痛みがあってもできる活動がある」と認識させることは、自己効力感を高め、活動制限を軽減する重要なステップです。 - 適切な身体活動は痛みを増悪させないことを説明する。
正しいです。慢性腰痛において、適切な身体活動や運動が安全であることを説明することは、患者の恐怖回避行動を軽減し、運動への自信を回復させるために重要です。
ワンポイントアドバイス
慢性腰痛の認知行動療法では、「痛みに対する不安や誤解」を解消し、「活動性の向上」を目指すことが重要です。過剰な痛みのモニタリングや注意の集中は、痛みの悪化や心理的負担の原因となるため避けるべきです。一方で、痛みの正しい知識を提供し、身体活動が安全であると理解させることが効果的です。