ライフステージにおける成人期後期(50〜60歳ころ)の特徴で適切なのはどれか。
- 親しい人の死を経験し、自分の死についても受容的になる。
- 心理社会的な猶予期間(モラトリアム)といえる時期である。
- 仕事や家庭を持つようになり、社会人としての成長をみせる。
- 経験の蓄積により判断力は向上を続けるが記憶力は低下を示す。
- 社会的役割の減少や身体的不自由など多くの喪失体験がみられる。
解答解説
正解は4. 経験の蓄積により判断力は向上を続けるが記憶力は低下を示す。です。
解説
成人期後期(50〜60歳ころ)は、キャリアや家庭生活で大きな転換点を迎える時期であり、以下のような特徴があります。
- 経験の蓄積:人生経験を通じて判断力や問題解決能力は向上します。これにより、若年期のころよりも柔軟で効率的な判断が可能になります。
- 記憶力の変化:短期記憶や新しいことを覚える力(流動性知能)は徐々に低下しますが、知識や経験に基づく能力(結晶性知能)は維持または向上します。
各選択肢の解説
- 親しい人の死を経験し、自分の死についても受容的になる(誤り)
- この特徴は成人期後期よりも老年期(65歳以降)に多くみられる特徴です。50〜60歳ころはまだ社会的活動の中心にいることが一般的です。
- 心理社会的な猶予期間(モラトリアム)といえる時期である(誤り)
- モラトリアムとは、青年期に特徴的な自己探索や社会的責任の先送りを指します。成人期後期では当てはまりません。
- 仕事や家庭を持つようになり、社会人としての成長をみせる(誤り)
- これは成人期前期(20〜30歳ころ)に多い特徴であり、50〜60歳ころの特徴ではありません。
- 経験の蓄積により判断力は向上を続けるが記憶力は低下を示す(正解)
- 50〜60歳ころは経験の蓄積により判断力や問題解決能力が向上しますが、記憶力や学習能力は加齢とともに低下する傾向があります。このため正解です。
- 社会的役割の減少や身体的不自由など多くの喪失体験がみられる(誤り)
- これは老年期の特徴です。成人期後期ではまだ社会的役割が活発であり、身体機能も比較的維持されています。
ワンポイントアドバイス
各ライフステージの心理社会的特徴を理解する際は、以下に注目してください:
- 青年期:アイデンティティの確立、モラトリアム。
- 成人期前期(20〜30歳ころ):仕事や家庭の形成。
- 成人期後期(50〜60歳ころ):判断力の向上と記憶力の低下、キャリアの再構築。
- 老年期(65歳以降):社会的役割の減少、自分の死や喪失の受容。
この区分を整理することで、試験問題に対して明確な対応が可能になります。