第54回

第54回理学療法士国家試験 午前問題21

治療についてのインフォームドコンセントで適切なのはどれか。

  1. 治療者は専門用語で説明する。
  2. 患者の同意内容は文書で保存する。
  3. 治療者は患者の要求があってから説明する。
  4. 判断能力に関わらず患者の決定が優先される。
  5. 患者は正当な理由がなければ同意を撤回できない。

解答解説

正解は2. 患者の同意内容は文書で保存するです。

解説

インフォームドコンセントは、患者が治療内容を十分に理解した上で、自分の意思で治療を選択・同意するための重要なプロセスです。その際、説明の方法や同意の記録について、以下の点が求められます:

  1. 患者に分かりやすい言葉で説明する
    • 専門用語を多用せず、患者が十分に理解できる言葉を使います。
  2. 同意内容を記録に残す
    • 文書での記録は、医療者と患者双方の確認とトラブル防止のために重要です。

選択肢の解説

  1. 治療者は専門用語で説明する(誤り)
    • 専門用語を使った説明では、患者が内容を正確に理解できない可能性が高く、不適切です。説明は患者の理解力に応じて行う必要があります。
  2. 患者の同意内容は文書で保存する(正解)
    • インフォームドコンセントの同意内容を文書で保存することは、説明責任を果たすために重要であり、適切です。これにより、患者と医療者の双方が記録を確認できます。
  3. 治療者は患者の要求があってから説明する(誤り)
    • 説明は患者から要求があってからではなく、治療を行う前に必ず医療者の側から積極的に行うべきです。
  4. 判断能力に関わらず患者の決定が優先される(誤り)
    • 患者が判断能力を欠く場合(例:未成年、認知症)には、本人の決定だけでなく、家族や代理人との相談を踏まえて適切な対応を行います。
  5. 患者は正当な理由がなければ同意を撤回できない(誤り)
    • 患者はいつでも治療の同意を撤回する権利があります。正当な理由の有無にかかわらず、患者の意思は尊重されるべきです。

ワンポイントアドバイス

インフォームドコンセントは、患者が十分な説明を受けた上で治療を選択する権利を守る重要なプロセスです。説明の仕方や記録の保存方法、患者の権利について明確に理解しておきましょう。特に、同意の撤回は患者の基本的な権利である点を覚えておきましょう。