末梢血管抵抗が低下するショックをきたす病態はどれか。2つ選べ。
- アナフィラキシー
- 消化管出血
- 心筋梗塞
- 心タンポナーデ
- 敗血症
解答解説
正解は 1. アナフィラキシー と 5. 敗血症 です。
アナフィラキシーショックと敗血症性ショックは、いずれも末梢血管が広がり、血管抵抗が低下する分配性ショックに分類されます。これにより、血圧が低下して組織への血流が不足し、ショック状態となります。
各選択肢の解説
- アナフィラキシー(正解)
アナフィラキシーでは、アレルギー反応により大量のヒスタミンが放出され、血管拡張が起こります。その結果、末梢血管抵抗が低下し、ショック状態となります。 - 消化管出血
消化管出血では血液量が減少し、循環血液量が低下するため循環血液量減少性ショックが起こりますが、末梢血管抵抗が低下するわけではありません。 - 心筋梗塞
心筋梗塞は心臓のポンプ機能が低下することにより、血流が不十分になる心原性ショックの原因になりますが、末梢血管抵抗の低下は起こりません。 - 心タンポナーデ
心タンポナーデも心臓周囲に液体が貯まってポンプ機能が低下し、心原性ショックを引き起こしますが、末梢血管抵抗の低下にはつながりません。 - 敗血症(正解)
敗血症性ショックでは、感染によって炎症性サイトカインが放出され、血管が拡張するため、末梢血管抵抗が低下します。これにより血圧が低下し、ショック状態が発生します。
ワンポイントアドバイス
ショックの分類には、循環血液量減少性ショック、心原性ショック、閉塞性ショック、および分配性ショックがあります。末梢血管抵抗が低下するのは分配性ショックに分類されるアナフィラキシーショックや敗血症性ショックです。それぞれのショックのメカニズムと特徴を理解しておきましょう。