健常成人の血圧に関して正しいのはどれか。2つ選べ。
- 背臥位では立位に比べて脈圧が小さい。
- 足関節上腕血圧比の基準値は1.5〜2.0である。
- 上腕部では足部と比べて収縮期血圧が低くなる。
- 座位での測定はマンシェットを心臓の高さに合わせる。
- Korotkoff音が聞こえなくなった時点での圧を収縮期血圧とする。
解答解説
正解は3. 上腕部では足部と比べて収縮期血圧が低くなる。と4. 座位での測定はマンシェットを心臓の高さに合わせる。
各選択肢の解説
- 背臥位では立位に比べて脈圧が小さい。
背臥位では心臓の位置が身体全体と同じ高さになり、血圧測定がより安定します。 立位では重力の影響により、収縮期血圧が上昇して脈圧が大きくなる傾向があるため、この選択肢は誤りです。 - 足関節上腕血圧比の基準値は1.5〜2.0である。
足関節上腕血圧比(ABI)の基準値は通常1.0〜1.4です。 1.5以上は異常値として動脈硬化などが疑われます。この選択肢は誤りです。 - 上腕部では足部と比べて収縮期血圧が低くなる。
正解です。収縮期血圧は、心臓から遠ざかるほど血圧が高くなるため、上腕部よりも足部の方が高くなるのが正常です。 - 座位での測定はマンシェットを心臓の高さに合わせる。
正解です。血圧測定では、測定する部位が心臓の高さにあることが重要です。 これは測定値の正確性を保つために必要です。 - Korotkoff音が聞こえなくなった時点での圧を収縮期血圧とする。
Korotkoff音が聞こえなくなった時点の圧は拡張期血圧を示します。 収縮期血圧は、Korotkoff音が最初に聞こえた時点の圧です。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
血圧測定では、測定環境や方法が正確な値を得るために重要です。足関節上腕血圧比(ABI)の基準値やKorotkoff音の評価基準を正確に覚えることで、臨床判断に役立ちます。また、体位による血圧変化や部位間の血圧差も重要な知識です。