第54回

第54回理学療法士国家試験 午前問題53

脳の解剖で誤っているのはどれか。

  1. 黒質は中脳にある。
  2. 海馬は側頭葉にある。
  3. 中小脳脚は中脳と小脳を連絡する。
  4. 脳梁は左右の大脳半球を連絡する。
  5. 中心溝は前頭葉と頭頂葉の間にある。

解答解説

正解は3. 中小脳脚は中脳と小脳を連絡するです。

解説

脳の解剖学的構造には、それぞれ特定の役割があります。中小脳脚(中位小脳脚)は、小脳と橋(脳幹の一部)を連絡する構造であり、中脳とは連絡していません。

各選択肢の解説

  1. 黒質は中脳にある(正しい)
    • 黒質は中脳に存在し、運動の調整に関与する構造です。ドーパミンを多く含むニューロンが存在し、パーキンソン病との関連が知られています。
  2. 海馬は側頭葉にある(正しい)
    • 海馬は側頭葉の内側に位置し、記憶や空間認知に関与します。アルツハイマー病ではこの部分が萎縮します。
  3. 中小脳脚は中脳と小脳を連絡する(誤り)
    • 中小脳脚(Middle Cerebellar Peduncle)は、小脳と橋(ポン)を連絡します。中脳と連絡するのは上小脳脚です。
  4. 脳梁は左右の大脳半球を連絡する(正しい)
    • 脳梁は左右の大脳半球を連絡する大きな神経線維束で、情報の統合や伝達に重要です。
  5. 中心溝は前頭葉と頭頂葉の間にある(正しい)
    • 中心溝は前頭葉と頭頂葉を分ける溝で、運動野(前頭葉側)と体性感覚野(頭頂葉側)の境界を形成します。

ワンポイントアドバイス

脳の構造とその位置関係をしっかり整理して覚えましょう。特に小脳脚の構造は試験で頻出です。

  • 上小脳脚:中脳と小脳を連絡。
  • 中小脳脚:橋と小脳を連絡。
  • 下小脳脚:延髄と小脳を連絡。

脳梁や海馬など、大脳の内部構造の位置関係も合わせて確認しておくと良いでしょう。