頸椎で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 環椎に椎体はない。
- 軸椎に上関節面はない。
- 第4頸椎に鈎状突起はない。
- 第5頸椎の横突孔は椎骨動脈が貫通しない。
- 第7頸椎の棘突起先端は二分しない。
解答解説
正解は1. 環椎に椎体はないと5. 第7頸椎の棘突起先端は二分しないです。
解説
頸椎(C1〜C7)は脊椎の中でも特異的な構造を持つ椎骨です。特に環椎(C1)と軸椎(C2)は形態が独特で、それぞれの役割に応じた特殊な構造をしています。また、第7頸椎は「隆椎」とも呼ばれ、他の頸椎とは異なる特徴を持っています。
各選択肢の解説
- 環椎に椎体はない(正解)
- 環椎(C1)は椎体を持たず、前弓と後弓から成る独特の構造をしています。この特徴により、頭蓋骨と軸椎との回旋運動を可能にしています。
- 軸椎に上関節面はない(誤り)
- 軸椎(C2)には上関節面があります。この面は環椎との関節(環軸関節)を形成し、頭部の回旋運動を可能にします。
- 第4頸椎に鈎状突起はない(誤り)
- 鈎状突起(uncinate process)は、第3頸椎から第7頸椎に存在します。したがって、第4頸椎にも鈎状突起はあります。
- 第5頸椎の横突孔は椎骨動脈が貫通しない(誤り)
- 椎骨動脈は、第6頸椎の横突孔から貫通し、第1頸椎まで走行します。第5頸椎の横突孔も貫通するため、この記述は誤りです。
- 第7頸椎の棘突起先端は二分しない(正解)
- 第7頸椎(隆椎)の棘突起は、他の頸椎とは異なり二分せず、長く突出しています。この特徴により、触診しやすい部位として知られています。
ワンポイントアドバイス
頸椎の特徴は、以下のポイントを整理して覚えましょう:
- C1(環椎):椎体がなく、前弓・後弓で構成。
- C2(軸椎):歯突起を持ち、上関節面で環椎と関節を形成。
- C3〜C7:鈎状突起があり、椎骨動脈が横突孔を通過。
- C7(隆椎):棘突起が二分せず長い。
これらの解剖学的特徴を正確に把握することが重要です。