第59回

第59回理学療法士国家試験 午前問題74

健常成人の歩行で重心が最も高くなる時期はどれか。

  1. 初期接地
  2. 荷重応答期
  3. 立脚中期
  4. 立脚終期
  5. 前遊脚期

解答解説

正解は 3. 立脚中期 です。

歩行周期において、立脚中期(ミッドスタンス)は、体重が片脚に完全に乗って、体が最も高い位置に達する時期です。この時期には重心が最高点に達し、エネルギー効率が最も高くなります。

各選択肢の解説

  1. 初期接地
    初期接地は足が地面に接地する瞬間で、重心は低い位置にあります。まだ片脚での支持が始まる段階ではなく、重心は上がりません。
  2. 荷重応答期
    荷重応答期は、接地した足に体重が乗り始める時期であり、重心は低い位置にあります。この時期は衝撃吸収の役割が強調され、重心が上がる時期ではありません。
  3. 立脚中期(正解)
    立脚中期は体が片脚の上に完全に乗り、重心が最も高くなる時期です。このタイミングでの重心の高さが、歩行のエネルギー効率に重要な影響を与えます。
  4. 立脚終期
    立脚終期は、体重が前方に移動し始め、重心は低下していく時期です。このため、重心が最も高くなるわけではありません。
  5. 前遊脚期
    前遊脚期(プレスイング)は、足が地面を離れる直前の時期で、重心は低い位置にあります。重心が上がる時期ではありません。

ワンポイントアドバイス

歩行周期における重心の上下動には特徴があり、立脚中期に重心が最高点に達することが基本的な歩行メカニズムです。この理解は、リハビリテーションや歩行分析にも役立つため、各時期の重心の変化を押さえておきましょう。