頭部CT(別冊No. 4)を別に示す。出血部位はどれか。
- 後頭葉皮質下
- 頭頂葉皮質下
- 尾状核
- 被殻
- 視 床
解答解説
正解は5.視床です。
画像を見ると、出血部位は脳深部の中央に位置しており、視床出血の典型的な形態を示しています。視床は、感覚情報の中継地点として重要であり、ここに出血が起こると感覚障害や運動障害がみられることがあります。
選択肢の解説
- 後頭葉皮質下
後頭葉皮質下の出血は、CTで脳の後部に出血が確認されます。今回のCTでは、後頭葉には出血が認められないため、この選択肢は誤りです。 - 頭頂葉皮質下
頭頂葉皮質下出血は、CTで頭頂部(脳の上部)に出血が見られる場合に該当しますが、今回の画像では該当しません。この選択肢は誤りです。 - 尾状核
尾状核出血は、基底核領域のやや前方に認められる出血です。今回の出血は尾状核ではなく視床に該当します。この選択肢は誤りです。 - 被殻
被殻出血は、基底核の被殻に起こる出血で、CT画像では視床よりも外側に出血が見られるのが特徴です。今回の出血部位は被殻ではないため、この選択肢は誤りです。 - 視床
視床出血は、脳深部の中央付近に位置する視床に起こる出血です。今回のCTでは、視床に一致する部位に出血が見られるため、この選択肢が正解です。
ワンポイントアドバイス
視床出血の特徴:
- 位置:脳深部の中央に位置。
- 症状:感覚障害(特に片側の体性感覚の障害)、運動障害、場合によっては意識障害。
- CT所見:視床の領域に限局した出血が見られる。
視床と基底核(被殻や尾状核)の区別が重要です。基底核出血はより外側に出血が見られるため、CT画像で確認しながら位置を判断する練習をしましょう。