第57回

第57回理学療法士国家試験 午前問題64

心音または心電図波形と心周期における現象との組合せで正しいのはどれか。

  1. 心音のⅠ音      僧帽弁の閉鎖
  2. 心音のⅡ音      大動脈弁の開放
  3. 心電図のP波      His 束の伝導
  4. 心電図のQRS波    洞房結節の伝導
  5. 心電図のT波      心室筋の脱分極

解答解説

正解は1. 心音のⅠ音僧帽弁の閉鎖です。

Ⅰ音は心室収縮の開始時に僧帽弁と三尖弁が閉鎖することで生じる音であり、これが正しい組み合わせです。

各選択肢の解説

  1. 心音のⅠ音僧帽弁の閉鎖(正解)
    Ⅰ音は心室収縮が始まる際に、僧帽弁と三尖弁が閉じる音です。この選択肢は正しいです。
  2. 心音のⅡ音大動脈弁の開放
    Ⅱ音は心室弛緩の際に、大動脈弁および肺動脈弁が閉じる音です。開放ではなく閉鎖に関係するため、この選択肢は誤りです。
  3. 心電図のP波His 束の伝導
    P波は心房が脱分極する過程を表しており、心房からHis束への伝導は含まれません。この選択肢は誤りです。
  4. 心電図のQRS波洞房結節の伝導
    QRS波は心室の脱分極を示しており、洞房結節の伝導ではありません。この選択肢は誤りです。
  5. 心電図のT波心室筋の脱分極
    T波は心室筋の再分極を示します。脱分極ではないため、この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

心音と心電図波形の対応を整理して覚えましょう:

  • Ⅰ音:僧帽弁と三尖弁の閉鎖(心室収縮開始)
  • Ⅱ音:大動脈弁と肺動脈弁の閉鎖(心室弛緩開始)
  • P波:心房の脱分極(心房収縮)
  • QRS波:心室の脱分極(心室収縮)
  • T波:心室の再分極

これらを理解しておくと、心電図や心音の問題に対応しやすくなります。