第57回

第57回理学療法士国家試験 午後問題57

腎臓について正しいのはどれか。

  1. 腎錐体は皮質にある。
  2. 一側の重さは約300 gである。
  3. エリスロポエチンを分泌する。
  4. 左腎は右腎より約1.5 cm下位にある。
  5. 安静時の腎血流は心臓から拍出される血液の約5%である。

解答解説

正解は3です。

腎臓は、エリスロポエチンというホルモンを分泌し、骨髄での赤血球産生を促進します。この機能は、腎臓が体内の酸素供給状態を感知し、酸素不足に対応する重要な役割を果たします。

各選択肢の解説

  1. 腎錐体は皮質にある。
    腎錐体は腎臓の髄質部分にあり、腎柱に囲まれる円錐形の構造です。皮質にあるのは腎小体などの構造です。この選択肢は誤りです。
  2. 一側の重さは約300 gである。
    腎臓の一側の重さは、成人で約120〜150 g程度です。300 gという値は不適切です。この選択肢は誤りです。
  3. エリスロポエチンを分泌する。(正解)
    正しい選択肢です。エリスロポエチンは腎臓から分泌されるホルモンで、低酸素状態でその分泌が増加し、赤血球の産生を促します。
  4. 左腎は右腎より約1.5 cm下位にある。
    実際には、右腎が左腎よりも約1.5 cm下位に位置します。これは肝臓の位置の影響によるものです。この選択肢は誤りです。
  5. 安静時の腎血流は心臓から拍出される血液の約5%である。
    腎臓には安静時の心拍出量の約20〜25%が供給されます。この高い割合は、腎臓が体液の調節や老廃物の排泄に重要な役割を持つためです。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

腎臓の機能や構造を理解するには、以下のポイントを押さえましょう:

  • 機能:老廃物の排泄、体液・電解質の調節、エリスロポエチンやレニンの分泌。
  • 構造:皮質、髄質(腎錐体)、腎盂の3層構造。
  • 血流量:心拍出量の約20〜25%を受ける。

腎臓は体内環境の恒常性維持において中心的な役割を果たす器官です。