第56回

第56回理学療法士国家試験 午後問題13

70歳の女性。両側変形性膝関節症。外来通院中である。自宅におけるADLは、FIMによる評価で、2項目(歩行・車椅子および階段)はT字杖を使用しての自立であったが、それ以外は補助具を使用せずに自立していた。コミュニケーション(理解、表出)や社会的認知(社会的交流、問題解決、記憶)は問題ない。FIMの点数はどれか。

  1. 100
  2. 112
  3. 120
  4. 124
  5. 126

解答解説

正解は4.124です。

FIM(Functional Independence Measure)は、運動項目13項目(食事、整容、更衣、移乗、歩行など)と認知項目5項目(理解、表出、記憶など)を評価する計18項目から構成されます。各項目は7段階で評価され、合計点は最大126点です。この問題では、T字杖を使用している「歩行・車椅子」と「階段」の2項目が6点(修正自立)で評価され、その他の16項目が7点(完全自立)と評価されます。以下に計算を示します。

選択肢の解説

  1. 100
    運動や認知項目で複数の介助が必要である場合に該当しますが、このケースでは該当しません。この選択肢は誤りです。
  2. 112
    運動項目の多くが修正自立(6点)で評価される場合に該当しますが、このケースではほとんどの項目が完全自立(7点)であり、該当しません。この選択肢は誤りです。
  3. 120
    4つ以上の項目が修正自立(6点)で評価される場合に該当しますが、今回のケースでは修正自立は2項目のみであり、該当しません。この選択肢は誤りです。
  4. 124
    修正自立(6点)が2項目、完全自立(7点)が16項目の場合の合計点は124点となります。このケースに該当するため、正解です。
  5. 126
    全18項目が完全自立(7点)で評価される場合の最大値です。このケースでは修正自立が2項目あるため該当しません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

FIMの評価では、補助具の使用がある場合は修正自立(6点)と評価される点に注意が必要です。また、各項目が完全自立(7点)か修正自立(6点)かを明確に区別し、合計点を正確に計算できることが求められます。問題文の条件をしっかり読み取り、修正自立の項目数を見落とさないようにしましょう。