78歳の男性。COPDによるⅡ型呼吸不全。安静時および運動時に1L/分の在宅酸素療法を導入している。理学療法士による患者指導として正しいのはどれか。
- 上肢の挙上動作を反復して行うように指導する。
- 吸気時間を延長するために口すぼめ呼吸を指導する。
- 呼吸困難に応じて酸素流量を増量するように指導する。
- 体調や呼吸器症状の日誌への記録をもとに生活指導を行う。
- 主に心理的なリラックスを得るためにリラクセーションを指導する。
解答解説
正解は4.体調や呼吸器症状の日誌への記録をもとに生活指導を行うです。
COPDの管理では、患者の状態や症状を継続的に把握し、生活習慣の改善や適切な対処法を指導することが重要です。体調や呼吸器症状を記録し、医療従事者が情報を共有しながら適切な生活指導を行うことが、患者のQOL向上に役立ちます。
各選択肢の解説
- 上肢の挙上動作を反復して行うように指導する。
上肢の反復的な挙上動作は、呼吸筋を過度に使い、呼吸困難を悪化させる可能性があるため不適切です。 - 吸気時間を延長するために口すぼめ呼吸を指導する。
口すぼめ呼吸は呼気時間の延長を目的とするため、「吸気時間を延長する」という記載は誤りです。 - 呼吸困難に応じて酸素流量を増量するように指導する。
酸素流量の変更は医師の指示に従うべきであり、患者自身が勝手に調整することは推奨されません。 - 体調や呼吸器症状の日誌への記録をもとに生活指導を行う。
正解です。日誌記録を通じて患者の状態を把握し、医療者と連携して生活指導を行うことが効果的です。 - 主に心理的なリラックスを得るためにリラクセーションを指導する。
COPDの治療において心理的リラックスは補助的手段であり、主目的ではありません。
ワンポイントアドバイス
COPD患者の指導では、呼吸法(口すぼめ呼吸や腹式呼吸)、運動療法、自己管理(日誌記録など)が重要です。患者の症状や状態に応じた具体的な指導を行い、悪化を予防しましょう。