Gowers徴候を生じやすい疾患はどれか。
- 関節リウマチ
- Parkinson病
- 引き抜き損傷
- 中心性頸髄損傷
- Duchenne型筋ジストロフィー
解答解説
正解は5です。
Gowers徴候は、近位筋の筋力低下により、立ち上がる際に手を使って太ももを押しながら身体を支える特徴的な動作です。この徴候はDuchenne型筋ジストロフィーなどの近位筋優位の筋力低下を呈する疾患で典型的に見られます。Duchenne型筋ジストロフィーでは、骨盤帯や大腿近位部の筋肉が早期から弱化するため、このような立ち上がり動作が必要になります。
各選択肢の解説
- 関節リウマチ
関節リウマチは主に関節の炎症や変形が特徴であり、近位筋の筋力低下によるGowers徴候は通常見られません。この選択肢は誤りです。 - Parkinson病
Parkinson病では筋固縮や動作緩慢が主症状であり、近位筋優位の筋力低下を示すGowers徴候は見られません。この選択肢は誤りです。 - 引き抜き損傷
引き抜き損傷は、腕神経叢の損傷により上肢の麻痺や感覚障害を引き起こします。Gowers徴候の原因となる近位筋の筋力低下は関係がありません。この選択肢は誤りです。 - 中心性頸髄損傷
中心性頸髄損傷では、上肢に麻痺や感覚障害が見られることが多く、近位筋優位の筋力低下が原因でGowers徴候が生じることはありません。この選択肢は誤りです。 - Duchenne型筋ジストロフィー(正解)
正しい選択肢です。Duchenne型筋ジストロフィーは、近位筋が優位に筋力低下を起こす疾患であり、Gowers徴候が典型的に見られます。この徴候は骨盤帯や大腿近位部の筋力低下を反映しています。
ワンポイントアドバイス
Gowers徴候は、近位筋の筋力低下を特徴とする疾患(例:筋ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症など)で見られる重要な臨床徴候です。患者が立ち上がる際に手を使う動作が観察された場合、骨盤帯や大腿近位部の筋力低下を疑い、関連疾患の鑑別を行う必要があります。