第57回

第57回理学療法士国家試験 午前問題75

前癌病変になる進行性病変はどれか。

  1. 萎縮
  2. 肥大
  3. 変性
  4. 異形成
  5. アポトーシス

解答解説

正解は4. 異形成です。

異形成とは、細胞の形態や配列に異常がみられる病変であり、上皮組織で主に観察されます。異形成が進行すると、がん(悪性腫瘍)に進展する可能性が高くなるため、前癌病変として特に重要視されます。

各選択肢の解説

  1. 萎縮
    萎縮は、細胞や組織の大きさが縮小する現象で、病的・生理的要因によることがありますが、前癌病変には関与しません。この選択肢は誤りです。
  2. 肥大
    肥大は細胞の大きさが増大することで、筋組織などでよく見られますが、癌化には直接関与しません。この選択肢は誤りです。
  3. 変性
    変性は細胞の機能や形態が損なわれる病的状態を指しますが、癌化する性質はありません。この選択肢は誤りです。
  4. 異形成(正解)
    異形成は、細胞の異常増殖、核の異常、配列の乱れが見られる病変です。この病変は前癌病変とされ、適切な治療や経過観察が必要です。この選択肢は正しいです。
  5. アポトーシス
    アポトーシスは細胞のプログラムされた自然死であり、正常な生理現象です。癌化とは無関係です。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

  • 前癌病変とは、癌(悪性腫瘍)に進行する可能性がある病変を指します。代表例として、異形成や慢性炎症を伴う特定の病変が挙げられます。
  • 異形成の発見には、定期的な健診や早期診断が重要であり、特に消化器系や子宮頸部で観察されることが多いです。

異形成の特徴をしっかり理解しておくことが、試験や臨床対応に役立ちます。