膝関節屈曲運動の制限に関与するのはどれか。
- 斜膝窩靱帯の緊張
- 前十字靱帯の緊張
- 大腿後面と下腿後面の接触
- 大腿骨の転がり運動の出現
- 内側側副靱帯の緊張
解答解説
正解は3. 大腿後面と下腿後面の接触です。
膝関節の屈曲が深くなると、大腿後面(もも裏)と下腿後面(ふくらはぎ)が接触し、物理的に屈曲を制限します。この接触が最終的な膝関節屈曲の可動域を制限する主な要因です。
各選択肢の解説
- 斜膝窩靱帯の緊張
斜膝窩靱帯は膝関節後方の安定性に関与し、膝関節の伸展制限に影響しますが、屈曲の制限にはあまり関与しません。この選択肢は誤りです。 - 前十字靱帯の緊張
前十字靱帯は膝関節の前方安定性を維持する役割を果たしますが、膝の屈曲では弛緩するため、屈曲の制限には関与しません。この選択肢は誤りです。 - 大腿後面と下腿後面の接触(正解)
膝の深い屈曲で大腿後面ともも裏が接触することで、物理的に屈曲が制限されます。これが主な制限要因であり、この選択肢は正しいです。 - 大腿骨の転がり運動の出現
大腿骨の転がり運動は膝関節の正常な運動であり、制限ではなくむしろ屈曲を促進する運動です。この選択肢は誤りです。 - 内側側副靱帯の緊張
内側側副靱帯は膝関節の外反や回旋の安定性に関与しますが、屈曲時には緊張が緩むため、屈曲の制限には関与しません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
膝関節の可動域制限には、物理的要因(軟部組織の接触)と靱帯・筋肉の緊張が関与します。屈曲制限の場合、特に以下を覚えておきましょう:
- 深屈曲の制限:大腿後面と下腿後面の接触。
- 伸展制限:前十字靱帯や後方靱帯の緊張、筋肉の短縮。
臨床でも試験でも役立つ知識です。