第52回

第52回理学療法士国家試験 午後問題77

ワルファリンの作用を減弱させるのはどれか。

  1. ビタミンA
  2. ビタミンB6
  3. ビタミンB12
  4. ビタミンC
  5. ビタミンK

解答解説

正解は5. ビタミンKです。

ワルファリンは、ビタミンK依存性凝固因子(II、VII、IX、X)の生成を阻害する抗凝固薬です。そのため、体内にビタミンKが多量に存在すると、ワルファリンの作用が減弱され、抗凝固作用が十分に発揮されなくなります。食事やサプリメントで過剰なビタミンKを摂取すると、ワルファリンの効果が低下する可能性があります。

各選択肢の解説

  1. ビタミンA
    ビタミンAは脂溶性ビタミンで、視覚や皮膚の健康を維持しますが、ワルファリンの作用には影響しません。この選択肢は誤りです。
  2. ビタミンB6
    ビタミンB6は水溶性ビタミンで、アミノ酸代謝や神経機能に関与しますが、ワルファリンの作用を減弱させることはありません。この選択肢は誤りです。
  3. ビタミンB12
    ビタミンB12は赤血球の形成に重要な役割を果たしますが、ワルファリンの作用には影響しません。この選択肢は誤りです。
  4. ビタミンC
    ビタミンCは抗酸化作用を持つ水溶性ビタミンで、凝固因子やワルファリンの作用には影響しません。この選択肢は誤りです。
  5. ビタミンK(正解)
    ビタミンKは血液凝固に必要な因子の活性化に関与します。ワルファリンはビタミンK依存性因子を阻害する薬剤であるため、ビタミンKの摂取が多いとその作用が減弱します。正しい選択肢です。

ワンポイントアドバイス

ワルファリン服用中の患者では、ビタミンKを多く含む食品(ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜)の摂取量に注意が必要です。食事指導では、ビタミンKの過剰摂取を避ける一方で、極端な制限も避け、一定量を継続して摂取するよう指導することが重要です。