第53回理学療法士国家試験　午後問題27

アテトーゼ型脳性麻痺で残存しやすい反射はどれか。

1. Galant反射
2. 吸啜反射
3. 自動歩行
4. 手掌把握反射
5. 探索反射

解答解説

正解は1です。

Galant反射は、背中を片側に刺激すると同側に体幹が屈曲する新生児期の原始反射です。通常、生後数か月で消失しますが、アテトーゼ型脳性麻痺では中枢神経系の発達遅れにより残存することがあります。この反射が残ると、姿勢や体幹のコントロールが妨げられることがあります。

各選択肢の解説

1. Galant反射
   Galant反射は、アテトーゼ型脳性麻痺で残存しやすい反射の一つです。この反射が残ると、体幹の側屈が過剰に起こり、姿勢のコントロールが困難になる場合があります。正解です。
2. 吸啜反射
   新生児が口に触れるものに吸いつく反射です。通常は生後数か月で消失しますが、アテトーゼ型脳性麻痺では特に残存しやすい反射ではありません。
3. 自動歩行
   足底を接地すると歩行のような動作を引き起こす反射です。これも原始反射の一つですが、アテトーゼ型脳性麻痺で特に残存しやすい反射ではありません。
4. 手掌把握反射
   手のひらを刺激すると指が握る反射です。これは他のタイプの脳性麻痺で残存することはありますが、アテトーゼ型では特に残存しやすい反射ではありません。
5. 探索反射
   口周囲を触れられるとその方向に頭を向ける反射です。これもアテトーゼ型脳性麻痺で特に残存しやすいとは言えません。

ワンポイントアドバイス

Galant反射は、脳性麻痺患者で姿勢制御や動作を阻害する要因になることがあります。 残存する原始反射は、介入によって姿勢や運動の改善を目指す際の重要な指標となるため、各反射の特徴と臨床的意義をしっかり把握しましょう。