第58回

第58回理学療法士国家試験 午前問題94

肺塞栓症で誤っているのはどれか。

  1. 脱水が誘因となる。
  2. Ⅰ型呼吸不全を呈する。
  3. Dダイマーが上昇する。
  4. 下肢よりも上肢の術後に多い。
  5. 深部静脈血栓症との合併が多い。

解答解説

正解は4.下肢よりも上肢の術後に多いです。

肺塞栓症は、下肢の深部静脈血栓(DVT)が塞栓となり、肺動脈を閉塞する疾患です。上肢の術後よりも下肢静脈血栓が主要な原因となります。他の選択肢は肺塞栓症の特徴を正しく述べています。

各選択肢の解説

  1. 脱水が誘因となる。
    この選択肢は正しいです。脱水により血液粘稠度が上昇し、血栓が形成されやすくなります。
  2. Ⅰ型呼吸不全を呈する。
    この選択肢は正しいです。肺塞栓症ではガス交換が障害され、Ⅰ型呼吸不全(低酸素血症)を呈します。
  3. Dダイマーが上昇する。
    この選択肢は正しいです。血栓形成に伴い、Dダイマー値が上昇します。
  4. 下肢よりも上肢の術後に多い。
    この選択肢は誤りです。肺塞栓症の主な原因は下肢の深部静脈血栓症(DVT)であり、上肢よりも発症頻度が高いです。
  5. 深部静脈血栓症との合併が多い。
    この選択肢は正しいです。深部静脈血栓症は肺塞栓症の主要な原因です。

ワンポイントアドバイス

肺塞栓症の典型的な原因は深部静脈血栓症(DVT)であり、下肢の血栓が肺に移行するケースが主流です。この因果関係を理解しておきましょう。