第55回

第55回理学療法士国家試験 午後問題62

神経筋接合部における神経伝達物質はどれか。

  1. ノルアドレナリン
  2. アセチルコリン
  3. アドレナリン
  4. セロトニン
  5. ドパミン

解答解説

正解は2(アセチルコリン)です。
神経筋接合部では、運動神経終末から分泌されるアセチルコリンが、骨格筋の受容体(ニコチン性アセチルコリン受容体)に結合して興奮を引き起こします。この興奮が筋線維に伝わり、筋収縮が生じます。アセチルコリンは、神経筋接合部での主要な神経伝達物質です。

各選択肢の解説

  1. ノルアドレナリン
    ノルアドレナリンは主に交感神経終末や中枢神経で働く神経伝達物質ですが、神経筋接合部で使用されることはありません。この選択肢は誤りです。
  2. アセチルコリン
    アセチルコリンは神経筋接合部で運動神経から分泌され、筋収縮を引き起こす役割を担っています。この選択肢は正しいです。
  3. アドレナリン
    アドレナリンはホルモンとして副腎髄質から分泌されることが主であり、神経筋接合部での神経伝達物質としては機能しません。この選択肢は誤りです。
  4. セロトニン
    セロトニンは主に中枢神経系や腸管神経系で働く神経伝達物質で、神経筋接合部では関与しません。この選択肢は誤りです。
  5. ドパミン
    ドパミンは中枢神経系で運動調節や報酬系に関与しますが、神経筋接合部では使用されません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

神経筋接合部では、運動神経 → アセチルコリン → 筋収縮という流れを理解しておくことが重要です。これは、筋弛緩薬や神経筋疾患(重症筋無力症など)のメカニズムを学ぶ際にも基礎知識として役立ちます。