第58回

第58回理学療法士国家試験 午前問題34

静的立位で下腿義足の足部外側が床から浮き上がった。原因はどれか。

  1. 後方バンパーが硬すぎる。
  2. 初期屈曲角が大きすぎる。
  3. 初期内転角が大きすぎる。
  4. 足部のトウブレークの位置が近位すぎる。
  5. 足部に対しソケットが後方に位置しすぎている。

解答解説

正解は3.初期内転角が大きすぎるです。

義足ソケットの初期内転角が大きいと、義足の荷重が内側に偏り、足部外側が床から浮き上がることがあります。これは静的立位時に不安定さを生じさせる原因となります。

各選択肢の解説

  1. 後方バンパーが硬すぎる。
    この選択肢は誤りです。後方バンパーが硬すぎる場合、歩行時の底屈制御が強くなりますが、静的立位の足部外側浮き上がりには関係ありません。
  2. 初期屈曲角が大きすぎる。
    この選択肢は誤りです。初期屈曲角が過剰である場合、足部全体が前方に傾く状態になり、足部の外側が浮き上がることはありません。
  3. 初期内転角が大きすぎる。
    この選択肢が正解です。内転角の過剰調整が、静的立位時の足部外側の浮き上がりを引き起こす原因です。
  4. 足部のトウブレークの位置が近位すぎる。
    この選択肢は誤りです。トウブレーク位置が近位すぎると、歩行時の前足部の動きに影響しますが、静的立位の足部浮き上がりには影響しません。
  5. 足部に対しソケットが後方に位置しすぎている。
    この選択肢は誤りです。ソケットの位置が後方すぎると、歩行時の重心移動に影響しますが、足部の外側が浮き上がることはありません。

ワンポイントアドバイス

義足の適合不良が原因で起こる現象は多様です。静的立位の問題はソケットの角度や義足の内外転調整に関連することが多い点を理解しておきましょう。重バランスに大きく影響します。静的立位での不安定さや歩行時の動作異常の原因を区別して覚えておきましょう。