第58回

第58回理学療法士国家試験 午前問題32

脊髄小脳変性症の運動失調を評価するのはどれか。

  1. BADS
  2. EDSS〈Expanded Disability Status Scale〉
  3. QMG score〈Quantitative Myasthenia Gravis score〉
  4. SARA
  5. UPDRS

解答解説

正解は4.SARAです。

SARA(Scale for the Assessment and Rating of Ataxia)は、運動失調を定量的に評価するスケールであり、脊髄小脳変性症や小脳性運動失調の評価に用いられます。歩行、体幹保持、四肢の協調運動などを評価項目とします。

各選択肢の解説

  1. BADS
    この選択肢は誤りです。BADS(Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome)は、遂行機能障害を評価するための検査であり、運動失調の評価には使用しません。
  2. EDSS〈Expanded Disability Status Scale〉
    この選択肢は誤りです。EDSSは、主に多発性硬化症(MS)の障害レベルを評価するスケールです。運動失調に特化した評価ではありません。
  3. QMG score〈Quantitative Myasthenia Gravis score〉
    この選択肢は誤りです。QMG scoreは、重症筋無力症(MG)の重症度を評価するスケールであり、運動失調には関連しません。
  4. SARA
    この選択肢が正解です。運動失調を定量的に評価するスケールであり、脊髄小脳変性症の症状を測定するために最適です。正解です。
  5. UPDRS
    この選択肢は誤りです。UPDRS(Unified Parkinson’s Disease Rating Scale)は、パーキンソン病の重症度を評価するスケールです。運動失調の評価には適しません。

ワンポイントアドバイス

運動失調の評価にはSARAが適しており、脊髄小脳変性症に特化して使用されます。関連疾患の評価スケール(例:EDSSやUPDRS)との違いも明確に区別して覚えましょう。