第56回理学療法士国家試験　午後問題94

人工透析患者の死亡原因として最も多いのはどれか。

1. 肺炎
2. 心不全
3. 脳出血
4. 悪性腫瘍
5. 慢性肝炎

解答解説

正解は2．心不全です。

人工透析患者の主な死亡原因は心血管疾患であり、その中でも心不全が最も多いとされています。透析患者では高血圧や動脈硬化が進行しやすく、心臓に負担がかかりやすい状態にあるため、心不全のリスクが非常に高くなります。

選択肢の解説

1. 肺炎
   人工透析患者では免疫機能が低下しているため、肺炎を含む感染症も死亡原因の一つとなりますが、心不全より頻度は低いです。この選択肢は誤りです。
2. 心不全
   透析患者の死亡原因の中で最も多いのが心血管疾患であり、特に心不全が主な原因です。透析患者は体液量や電解質の管理が難しく、心臓に負担がかかることが要因です。この選択肢が正解です。
3. 脳出血
   人工透析患者では高血圧や抗凝固療法の影響で脳出血のリスクも高いですが、心不全の発生頻度より低いです。この選択肢は誤りです。
4. 悪性腫瘍
   透析患者は長期的な腎不全の影響で悪性腫瘍のリスクが高まりますが、心不全よりも頻度は低いです。この選択肢は誤りです。
5. 慢性肝炎
   慢性肝炎や肝不全も透析患者に見られる合併症ですが、主要な死亡原因ではありません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

人工透析患者の死亡原因として注意すべきポイント：

• 心血管疾患（心不全、心筋梗塞など）が最も多い。
• 感染症（肺炎など）も重要なリスク要因。
• 血圧管理や心機能のモニタリングが重要であることを理解しましょう。
  透析患者のリスク管理は、心血管疾患を中心に考えることが基本です。