観念失行に関連する行為はどれか。
- 検査者のキツネの指を模倣することができない。
- 杖を持つときに上下を逆さまにして使おうとする。
- 麻痺が重度でもそれを意識せずに立ち上がろうとする。
- 歩行時、右に曲がるべきところで曲がらずに通り過ぎる。
- 「右足を先に出して」と教示してもできないが、自然な歩行は可能。
解答解説
正解は2.杖を持つときに上下を逆さまにして使おうとするです。
観念失行とは、行為の概念や目的が理解できず、複数の動作を組み合わせた日常生活行動を正しく行えなくなる障害を指します。例として、道具の使い方を間違えたり、行為の順序を誤ることが挙げられます。この問題の選択肢では、杖を上下逆さまにして使おうとする行為が観念失行に該当します。
各選択肢の解説
- 検査者のキツネの指を模倣することができない。
誤り。これは観念運動失行に関連する行為です。観念運動失行では、特定の動作を指示されたり模倣することができなくなるのが特徴です。 - 杖を持つときに上下を逆さまにして使おうとする。
正解。観念失行の典型的な症状です。道具の使い方の概念が理解できず、適切に使用することができなくなります。この場合、杖を上下逆さまにして使用しようとする行為が該当します。 - 麻痺が重度でもそれを意識せずに立ち上がろうとする。
誤り。これは身体失認(体の一部に対する認識の障害)に関連する行為です。観念失行ではありません。 - 歩行時、右に曲がるべきところで曲がらずに通り過ぎる。
誤り。これは半側空間無視(空間的注意障害)に関連する行為です。観念失行ではありません。 - 「右足を先に出して」と教示してもできないが、自然な歩行は可能。
誤り。これは観念運動失行に関連する症状です。教示された動作はできないが、自発的には行えるのが特徴です。
ワンポイントアドバイス
観念失行の特徴は、道具の使い方の間違いや、行為の順序を正しく理解できないことです。リハビリテーションでは、患者がどの部分で困難を感じているのかを具体的に観察し、段階的に道具の使用方法や日常動作を再学習させることが重要です。また、観念失行と観念運動失行の違いを整理して覚えておきましょう。