第58回

第58回理学療法士国家試験 午前問題23

観察的研究を研究デザインとするのはどれか。2つ選べ。

  1. コホート研究
  2. メタアナリシス
  3. 無作為化比較対照試験
  4. ケースコントロール研究
  5. システマティックレビュー

解答解説

正解は1.コホート研究と4.ケースコントロール研究です。

観察的研究とは、研究者が介入を行わず、対象者の状況を観察してデータを収集する研究デザインを指します。これに該当するのがコホート研究(1)とケースコントロール研究(4)です。これらは因果関係の推定やリスク要因の検討に適していますが、介入研究に比べてエビデンスレベルが低い場合があります。

選択肢の解説

  1. コホート研究
    この選択肢が正解です。観察的研究の一種で、特定条件にさらされた集団を追跡し、因果関係を分析する方法です。
  2. メタアナリシス
    この選択肢は誤りです。複数の研究を統合して統計的に分析する手法であり、観察的研究ではありません。
  3. 無作為化比較対照試験
    この選択肢は誤りです。介入研究の一種で、対象をランダムに割り付けて比較する実験的研究です。観察的研究には該当しません。
  4. ケースコントロール研究
    この選択肢が正解です。観察的研究の一種で、疾患のある群とない群を比較し、要因を後ろ向きに分析する手法です。
  5. システマティックレビュー
    この選択肢は誤りです。既存の研究を体系的に整理して評価する手法であり、観察的研究には含まれません。

ワンポイントアドバイス

観察的研究の特徴は、介入せず対象者を観察することです。これにより、リスク因子の検討に有効ですが、バイアスや交絡因子の影響を受けやすい点が課題です。コホート研究は前向き研究、ケースコントロール研究は後ろ向き研究である点を押さえておきましょう。