第58回

第58回理学療法士国家試験 午後問題68

排便機構で正しいのはどれか。

  1. 便意は内肛門括約筋の伸張で生じる。
  2. 大腸内容物の混和は大蠕動で行われる。
  3. 直腸の収縮はアセチルコリンで促進される。
  4. 骨盤神経のインパルスは外肛門括約筋を弛緩させる。
  5. 上行結腸における大腸内容物の性状は半固形状である。

解答解説

正解は3. 直腸の収縮はアセチルコリンで促進されるです。

排便機構では、副交感神経から分泌されるアセチルコリンが直腸平滑筋を収縮させ、便を押し出す作用を持ちます。他の選択肢は排便の生理に関して誤りがあります。

各選択肢の解説

  1. 便意は内肛門括約筋の伸張で生じる。
    この選択肢は誤りです。
    便意は直腸壁の伸張による刺激で生じます。内肛門括約筋の伸張は直接的な関与はありません。
  2. 大腸内容物の混和は大蠕動で行われる。
    この選択肢は誤りです。
    大蠕動は大腸の内容物を移動させる働きで、混和は蠕動運動や分節運動が担います。
  3. 直腸の収縮はアセチルコリンで促進される。
    この選択肢が正解です。
    副交感神経が放出するアセチルコリンにより、直腸平滑筋が収縮して排便が促されます。
  4. 骨盤神経のインパルスは外肛門括約筋を弛緩させる。
    この選択肢は誤りです。
    骨盤神経は内肛門括約筋を弛緩させますが、外肛門括約筋は随意筋であり、陰部神経の支配を受けます。
  5. 上行結腸における大腸内容物の性状は半固形状である。
    この選択肢は誤りです。
    上行結腸の内容物は液状から粥状であり、半固形状になるのは下行結腸以降です。

ワンポイントアドバイス

排便機構では、副交感神経と直腸平滑筋の関係、内肛門括約筋と外肛門括約筋の違い、ならびに大腸内容物の性状の変化を理解することが重要です。